先日、高市総裁の就任から進んだ円安と、それに対する為替介入の是非について書かせていただきましたが、やはりここは「ちょっぴりオーナー気分」らしく、我々投資家にとって最も重要な株式市場の話に戻りたいと思います。
📉 保守的すぎた「春のトランプ関税」ショック
今年の春、トランプ関税の影響が色濃く出た際、多くの輸出企業は業績悪化への懸念から、非常にシビアで保守的な通期業績予想を立てていました。
「正直、そこまで落ちるのか?」と感じた方も多かったのではないでしょうか。
幸い、トランプ関税の影響も一旦落ち着きを見せ、中間決算では回復の兆しが見えてきました。
🚗 トヨタに学ぶ!「最悪のシナリオ」戦略
私が保有するトヨタ自動車も、通期予想は例年通り「最悪のシナリオ」を想定した非常に厳しい数字でしたが、中間決算ではしっかりと通期予想を上方修正してきました。
この中間決算で、私が今回、特に注目したのはその想定為替レートです。
✅ トヨタの想定為替レート:1ドル146円(中間決算時の発表レート)
一般的に、海外売上高比率の高い輸出企業は、リスクヘッジのため、現状の為替水準よりも意図的に円高方向にレートを設定する傾向があります。これは、下方修正を避け、上方修正の余地を残すという、企業経営における巧みな戦略です。
💡 投資家が今、着目すべきポイント
現在の円安水準(1ドル155円前後)が続くならば、この「保守的な想定為替レート」を設定している企業群は、年末から年度末にかけて爆発的な上方修正を出す可能性を秘めています。
特にチェックすべきは、以下の企業です。
- 中間決算は良好なのに、通期予想を据え置いている企業は、意図的にサプライズを温存している可能性大。
- 想定為替レートが現状よりも大きく円高に設定されている企業は、為替差益による利益の上乗せ余地が大きい。
企業の決算資料を読み解く際、売上や利益の数字だけでなく、この「想定為替レート」を必ず確認してみてください。これは、未来の上方修正ラッシュを予測するための、強力なヒントとなるはずです。
第3四半期、そして最終決算での上方修正の頻発に期待し、引き続き注視していきましょう!


