世界が注目するファナック(6954)の2026年3月期 3Q決算が発表されました。 「フィジカルAI銘柄の本命」として脚光を浴びる中、出された数字は「増収増益+上方修正」という、まさに逆襲の号砲とも取れる内容でした。
📊 1. 数字が語る「AIとの融合」の成果
まずは実績。前年を大きく上回るペースで利益が伸びています。
営業利益:1,277億円(前年同期比 +15.6%)
営業利益率:20.5%(前年同期比 +1.6pt向上)
特に注目すべきは、直近3ヶ月(10-12月)の利益率が19.3%に達している点です。 前回のブログで触れた「NVIDIAとのエコシステム」や「オープン化」によるオペレーション効率の向上が、目に見える形で利益を押し上げ始めています。もはや単なる「鉄の塊」を売る会社ではなく、高付加価値な「知能」を売るプラットフォームへの転換が数字に現れています。
🚀 2. 2度目の上方修正!「保守的なファナック」はもういない?
今回の決算で最もポジティブな驚きは、通期業績予想のさらなる引き上げです。
純利益:1,573億円 → 1,580億円
金額自体は微増に見えますが、意味合いは重いです。地政学リスクが渦巻く2026年において、「強気な予想をさらに上積みできる」という事実は、フィジカルAIによる受注の質が極めて高いことを示唆しています。
🧐 3. 「市場の期待」という高すぎる壁
しかし、手放しで喜べないのが株式市場の面白い(そして残酷な)ところ。
今回の修正後の利益は、実は一部のアナリストが期待していた「1,633億円」という高いハードルには届いていません。 まさに「期待値のインフレ」が起きている状態です。
ファナック: 「実力通り、着実に上積みします」
市場: 「NVIDIAと組んだんだから、もっと爆発的に伸びるだろ!」
このギャップが短期的な売り材料になる可能性はあります。しかし、本質を見抜く投資家なら、これが「絶好の押し目」に見えるはずです。
💡 4. 投資家が次に注視すべき「真の戦場」
今回の決算資料の端々に見えるのは、ファナックが「AIの身体」としての地位を確立しつつある姿です。
中国・米州のロボット需要: 依然として堅調。自動化はもはやブームではなく「生存戦略」。
ソフトウェア収入の拡大: AIアプリの開放により、従来の売り切りモデルから、高利益なリカーリング(継続)モデルへの移行が加速するか。
工場稼働率の向上: 熟練工の知能をAIが代替し、工場の生産性が限界を突破し始めている。
📝 結論:指標を超えた「期待」は確信へ
前回のブログで、「現在の指標だけでは語れない期待感がある」と書きましたが、今回の決算はその期待を「確かな手応え」に変えてくれました。
短期的な株価の上下はあるでしょう。しかし、サイバー空間のAI(NVIDIA)と物理世界のAI(ファナック)が完全にリンクした今、その交差点に立つこの企業を外して2026年の相場は語れません。
「黄色い巨人の逆襲」は、まだ序章に過ぎないのかもしれません。


