「富士フイルムといえばカメラの会社」——。 もしあなたが2012年以前からこの銘柄を知っていたら、今の姿は想像もつかなかったかもしれません。私は2012年から同社を保有していますが、度重なる株式分割と増配により、資産を大きく押し上げてくれた「恩人」のような銘柄です。
2026年1月現在、同社はさらなる高みを目指しています。最新業績と、長期ホルダーの視点から見た「追加購入の妥当性」を分析します。
1.2012年からのホルダーが見る「今」の富士フイルム
2012年当時、デジカメの普及で本業のフィルムが消失する中、同社は必死の構造改革の中にありました。しかし、2024年の1対3の株式分割を経て、投資のハードルは下がりつつも企業価値は右肩上がりです。
現在の収益構造を見ると、かつての主力だったイメージング(写真・カメラ)は利益の柱の一つに過ぎず、「ヘルスケア」と「電子材料」が利益の過半を稼ぐテック企業へと完全に変貌しています。
2.2026年3月期:過去最高を更新し続ける勢い
直近の発表では、通期の業績予想をさらに上方修正しました。
■売上高:3.3兆円(上方修正)
■営業利益:3,310億円(過去最高水準)
■16期連続増配:年間70円
特筆すべきは、円安の恩恵だけでなく、「バイオCDMO(医薬品受託製造)」の設備稼働が本格化し、実力値として収益力が上がっている点です。
3.追加購入を検討する3つの「成長エンジン」
なぜ今、さらなる買い増しを検討しているのか? それは以下の3つの材料が「2030年までの成長」を裏付けているからです。
① バイオCDMOの「世界一」への執念
デンマーク拠点の第1次投資設備が2024年末から稼働し、2026年には第2次投資分(8基のタンク)も稼働を予定しています。
ポイント: 一度契約すれば長期で安定収益を生むストック型のビジネスモデルが、同社の時価総額を一段押し上げるはずです。
② 半導体材料の「独占的」な強さ
AIサーバーに不可欠な最先端半導体(2nm世代など)の製造プロセスにおいて、同社のレジストやCMPスラリーは欠かせません。「AI関連株」としての側面が、今後さらに評価されると考えています。
③ 「チェキ」から始まる高利益サイクル
一過性のブームかと思われた「チェキ(instax)」は、今や世界的なカルチャーとして定着。アナログとデジタルの融合により、極めて高い利益率を維持し、次なる投資の「キャッシュカウ(稼ぎ頭)」となっています。
4.投資家としての判断:目標株価とリスク
▶目標株価: アナリスト予想の平均は4,200円前後。現在の3,300〜3,400円台は、PER(株価収益率)で見ても決して割高ではありません。
▶配当利回り: 約2.1%前後。連続増配銘柄としての安心感は抜群です。
▶懸念点: 巨額の設備投資に伴う借入金の利息負担や、世界景気後退による半導体需要の一時的な鈍化には注意が必要です。しかし、2012年からの荒波を越えてきた同社にとって、これらは「調整の範囲内」と言えるかもしれません。
まとめ:攻守兼備の「一生持ちたい」銘柄
富士フイルムは、もはや「カメラの会社」ではなく、「世界中の健康とデジタル社会を支える基盤企業」です。
10年以上保有してきた私にとって、今回の追加購入検討は、同社の「第3の創業(バイオCDMOの完成)」に向けた新たな期待料です。配当を楽しみながら、さらなるキャピタルゲインを狙える、日本を代表する優良株だと確信しています。
※投資は自己責任でお願いいたします。


