「なぜ私の株は上がらない?」日経平均の影で嘆く投資家と、NT倍率が示す光

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得意先のボヤキに見た「個人投資家のリアル」
先日、仕事の得意先の方とのお話の中で、投資の話題になりました。1年前から株式投資を始められたその方は、少し浮かない顔でこう漏らされていました。

「日経平均はあんなに上がっているのに、私の持っている株は全然上がらない。なんなら下がっているんだよ……」

その方は、優待生活で有名な桐谷さんの影響もあってか、「株主優待」と「配当」を重視した銘柄選びをされています。いわゆる「堅実な投資」ですが、今、多くの個人投資家が同じようなもどかしさを感じているのではないでしょうか。

「腹をくくった投資家」だけが取れた相場
今年、市場の話題をさらったのは、間違いなくキオクシアをはじめとするAI・半導体関連のハイテク株でした。

しかし、これらは「値がさ株(1単元の購入価格が高い株)」であり、ボラティリティも非常に激しい。潤沢な資金があり、かつリスクを承知で「腹をくくった」投資家でなければ、この波を乗りこなすのは容易ではありません。

日経平均という「指数」だけが跳ね上がり、個人の好む優待株やバリュー株が置いてけぼりにされる。まさに、相場の歪みがもたらした「実感なき上昇相場」だったと言えます。

潮目は変わるか?「NT倍率」に注目
ただ、嘆いてばかりはいられない兆候も見え始めています。私が注目しているのは、「NT倍率」の低下です。

日経平均をTOPIXで割って算出するこの指標が下がってきているということは、一部の値がさハイテク株主導の相場から、市場全体(TOPIX)へと資金が循環し始めている可能性を示唆しています。

結びに:これからの相場は「楽しみ」
ハイテク株の一本足打法だった相場に厚みが出てくれば、得意先の方が持っているような優待・配当銘柄にも、いよいよ順番が回ってくるかもしれません。

日経平均だけが上がっている」という歪な状態から、真の意味で幅広い銘柄が評価される相場へ。2025年後半のマーケットは、これまで我慢を強いられてきた投資家にとっても、非常に楽しみな展開になりそうです。