【家計資産2286兆円】現預金50%割れの衝撃…でもこれ「本当の投資シフト」なの?投資家としての違和感と期待。

貯金から投資へ ブログ

12月18日の日経新聞に、非常に興味深い(そして少し疑わしい?)記事が踊っていました。

「家計金融資産残高2286兆円。現預金が18年ぶり50%割れ。インフレ定着で投資にシフト」

一見すると、ついに日本人が「貯蓄から投資へ」舵を切った歴史的瞬間のように見えます。しかし、日々の相場と向き合っている身からすると、「これ、本当にみんな投資に動いたの?」という違和感が拭えません。

今回は、このニュースの裏側を私なりに読み解いてみました。

  1. 「投資にシフト」というより「評価額が上がっただけ」?
    記事では投資信託や株式の割合が増えたとされていますが、その正体は「新規の買い」よりも「持ち株の値上がり」の影響が大きいのではないでしょうか。

ここ数年の日本株の上昇に加え、米国株(S&P500など)の記録的な高値更新。保有している資産の「時価」が膨らんだ結果、分母である総資産に占める現預金の比率が「相対的に下がった」だけ、という側面は否定できません。

「日本人が一斉に預金を解約して株を買った」という実感は、まだ正直ありませんよね。

  1. 新NISAの「稼働率」というリアル
    新NISAの口座数が上昇基調なのは事実です。しかし、聞こえてくるのは「口座だけ作って放置している」という声の多さ。
  • 証券口座を開設して満足してしまった
  • どの銘柄を買えばいいか分からず止まっている
  • 暴落が怖くて入金できていない

こうした「幽霊口座」も含めた数字であれば、手放しで「国民が投資に目覚めた」と喜ぶのは少し早い気がします。

  1. 「外国人頼みの相場」から脱却できるか
    ご存知の通り、現在の日本の株式市場は「外国人投資家」の独壇場です。 彼らの売買動向一つで、指数が大きく上下するボラティリティの高さ。これが日本株の難しさであり、個人の参加を躊躇させる要因でもあります。

もし、今回の「現預金50%割れ」が本当の意味での投資シフトであれば、それは大きな希望です。 日本国民が自国の企業を、あるいは世界の成長を自ら支えるようになれば、米国のS&P500のような「緩やかで強い右肩上がりの相場」へと変貌していく可能性があるからです。

まとめ:本物なら嬉しい、だからこそ冷静に。

今回のニュースが「資産価値の膨張」による一時的なマジックではなく、本当に日本人のマインドセットが変わった結果であれば、株式市場にとってこれ以上の追い風はありません。

外国人の「おもちゃ」にされる市場ではなく、国民の資産形成と共に歩む安定した市場へ。

そんな未来を期待しつつも、私は引き続き浮かれすぎず、冷静に「次なる銘柄」を吟味していこうと思います。