食こそ最強のIP!外国人観光客が示す「日本食投資」のポテンシャル

インバウンド ブログ

12月も半ばを過ぎ、2026年に向けた投資戦略を練る時期に入りました。私が最近強く感じるのは、「インバウンド消費の質的な変化」です。

特に、私の住む大阪でも、外国人観光客の多さは驚くほどですが、彼らの消費行動は「モノ」から「体験、特に食」へと、より深くシフトしていると感じます。

🍶 現場で感じる「日本食への熱狂」

観光客は、もはやガイドブックに載っている有名店だけを目指していません。

私の職場の近くにある、ネットには情報がないような小さな居酒屋で、日本酒を傾けながら新鮮な刺身を食べている外国人観光客の姿を見ると、本当に驚きます。「どうやってこの店を見つけたんだろう?」と思わず声をかけたくなるほどです(笑)。

知人から聞いた話ですが、海外の「日本食屋」は高価な上に味が本物と程遠いことが多いそうです。しかし、日本の食事は、その品質、清潔さ、そして価格において圧倒的な優位性を持っています。

この「安くて美味い」体験こそが、日本食を単なる商品ではなく、「世界に誇れる強力なIP(知的財産)」へと昇華させているのです。

🎯 バリュー投資家が狙うべき「食のインバウンド」戦略

外国人観光客の「食」に対する強い消費意欲を収益に変える、具体的な投資の切り口と着目点をまとめます。

1.「キラーコンテンツ」を提供する外食チェーン
外国人観光客にとって認知度の高い、日本の国民食や専門性の高いグルメを提供する業態です。

具体的な業態例: ラーメン、回転寿司、牛丼、専門性の高い高級外食など。

投資の視点:
高回転率と認知度: 国内市場で確固たるシェアを持ち、外国人観光客にとって「必食」の地位を築いていること。
これらの企業は、インバウンドによる一時的な恩恵だけでなく、日本の食文化のIP化を海外で実現する将来性も評価対象となります。

2.「日本の日常」を支える食品インフラ
観光客は、高級な食事だけでなく、日本の日常的な「美味い」も消費します。

コンビニエンスストア: 高品質なおにぎりやスイーツなど、手軽な日本食を提供する重要なインフラです。旅行者が滞在中、何度も利用する場所として、安定的な収益が見込めます。

高品質な食品製造・卸売: 外食店やホテルへの食材供給を担う企業、あるいはお土産になるような加工食品(調味料、冷凍食品)を製造する企業は、サプライチェーン全体で恩恵を受けます。

これらの企業は、外食チェーンよりも安定した業績基盤を持つ傾向があり、バリュー投資の対象として検討しやすいでしょう。

3.日本が誇る「SAKE」の価値
居酒屋で日本酒を楽しむ観光客の姿は、酒類への需要の高まりを明確に示しています。

日本酒メーカーや酒類専門商社は、インバウンドによる国内消費の増加に加え、日本食ブームを背景にした日本酒の輸出拡大という二重の追い風を受けています。

✅ 投資検討のチェックポイント

インバウンド関連株を選ぶ際、バリュー投資の視点から特にチェックしたいのは以下の点です。

割安なPBR/PER: 業績の回復や成長がまだ株価に織り込まれておらず、依然として割安な水準に留まっていないか?

自己資本比率の高さ: 外部環境の変動に耐えうる、財務基盤の強さがあるか?

技術的優位性(=IP): 競合他社が簡単に真似できない「食の品質」や「サプライチェーンの効率性」という優位性を持っているか?

日本の「食」のポテンシャルは計り知れません。来年はこの「食のIP」を鍵に、腰を据えて投資対象を見極めていきましょう!

海外展開ポテンシャル: 日本の味をそのまま海外に持っていけるブランド力と運営ノウハウを持っていること。