- 圧倒的な利益成長:
通期純利益予想を1兆5,000億円に上方修正(従来予想1.3兆円から+2,000億円)。
前年比で3,220億円(+27%)という大幅な増益を達成見込みです。
- 経営目標の前倒し達成:
資本効率の指標である東証ROEが、目標としていた2028年度を待たずに10%に到達する見込みとなったことは、経営の効率化が想定以上に進んでいることを示します。
- 積極的な株主還元:
配当予想を157円に引き上げ、配当性向40%を堅持。
自己株式取得を1,500億円追加し、通期合計2,500億円とするなど、増益効果を株主に報いる姿勢が明確です。
🏦 「低金利での好調」の背景と今後の期待
- 低金利下での好調の背景(現在の利益牽引役)
日本の金融機関は長年の低金利政策により、国内の伝統的な「預貸金ビジネス」(預金と貸出の金利差で稼ぐ)だけでは成長が難しくなっています。SMFGの好調を支えているのは、主に以下の要因です。
- グローバルビジネスの拡大と高金利の恩恵:
特に米国やアジアを中心とした海外部門(グローバルCIBなど)の収益が大きく伸びています。これらの地域は日本と異なり高金利環境が続いており、外貨建ての利ザヤが大きく改善していることが、連結純利益を押し上げています。
- 非金利収益の増加:
M&A仲介やフィナンシャルアドバイザリー業務、富裕層向けのウェルスマネジメントなど、手数料(フィー)収入を稼ぐ非金利収益部門が順調に成長しています。
- 今後の「利上げ期待」と更なる成長
現在の好調は主に海外と非金利部門によるものですが、今後もし日本で金利の正常化(利上げ)が始まれば、それは追加的な追い風となります。
金融機関の利益は、金利が上昇することで、国内の膨大な預金と貸出の利ザヤ(純利息収益)が改善し、大幅に増加します。海外部門の好調に加えて、日本の金利上昇という国内収益の回復が加われば、更なる利益の押し上げ効果が期待できます。
今回の決算は、「海外・非金利で稼ぐ力」と「国内金利上昇による将来の増益ポテンシャル」の両方を示す内容であり、長期的な成長期待が高まるものと評価できます。
利益が上がった分を配当増額と自社株買いでしっかり株主に還元してくれる姿勢も、長期投資家としては非常に心強いですね。このまま安心して継続保有していきます!


