💡 決算の主要ポイント
第3四半期決算は、堅調な業績と積極的な株主還元策が評価できる内容となっています。
当期利益(第3四半期累計):
2,934億円で着地し、前年同期比で+39億円の増益となりました。
原油価格下落の影響で売上収益は減少したものの、法人税等の減少や、イクシスLNGプロジェクト関連子会社の有償減資に伴う為替差益243億円の計上が寄与し、増益を達成しました。
通期業績見通しの上方修正:
通期の当期利益見通しを8月時点の予想から200億円増となる3,900億円に上方修正しました。
これは、第3四半期における堅調な生産とコスト最適化などが主な要因です。
💰 株主還元策の評価
株主還元策についても、通期業績の上方修正と連動した積極的な姿勢が見られます。
自己株式の取得(自社株買い):
当初予定の800億円に200億円を追加し、総額1,000億円に増額されました。
この追加決定は、「足許の株価水準を依然割安と認識している」こと、および「通期見通しの上方修正」に伴うものです。
これにより、2025年通期の総還元性向は約56%となる見込みです(中期経営計画の目標「50%以上」を大きく上回る水準)。
年間配当:
年間配当金は1株あたり100円で据え置きです。
ただし、通期業績の上方修正と、積極的な自社株買いの増額を踏まえると、期末での増配(期末予想50円→50円で計100円のまま)に対する期待が高まる内容と言えます。
📈 総評
原油価格下落や為替の円高推移(前提として円高方向に修正されている)といった外部環境の厳しさがある中で、堅調な生産活動や為替差益の計上、コスト最適化などにより、利益を確保・上方修正し、それを株主還元策の強化(自社株買いの増額)に繋げた点は、ポジティブに評価できます。
今後の注目点としては、通期決算発表時に配当予想が修正されるか、また、今後の原油価格や為替の動向が挙げられます。


